- マウスピース矯正の適応症例とは?
抜歯が必要でもできるのか解説 - update:2024.10.17
「マウスピース矯正は抜歯が必要な場合は難しいって聞いたことあるけど、実際どうなの?」
「私が矯正するには抜歯が必要かな?」
矯正を行うにあたって自分の歯並びはマウスピース矯正が適用されるかどうか不安を抱えている方も多いのではないでしょうか。
昔はマウスピース矯正は抜歯が必要な症例は苦手とされていましたが、現在は医療技術が進み、抜歯をしてもマウスピースでの矯正治療ができるようになってきています。しかし、全ての症例が適応になるわけではありません。
そこで今回は矯正治療で抜歯が必要な症例、マウスピース矯正の適応症例について解説していきます。
目次
1.歯列矯正で抜歯が必要な症例とは 歯列矯正で抜歯が必要な症例とは
歯列矯正を行う上で、どういった場合に抜歯が必要となるのかみていきましょう。
1.骨格により歯が並ぶスペースが狭い場合
骨格により顎が小さい、歯が大きいなど、全ての歯が綺麗に並ぶスペースが狭い場合、抜歯をして歯が並ぶスペースを作ってあげる必要があります。
具体的には以下の歯並びの場合に抜歯することが多いです。
2.上下の噛み合わせが悪い
具体的には以下の歯並びが主な症例です。
上顎突出(出っ歯)は、飛び出している歯を後ろに引っ張る治療が必要となり、後ろに移動するスペースがない場合には抜歯が必要となります。
受け口の場合は下顎自体が大きく発達している場合が多く、その場合は外科的手術が適応となることが多いです。しかし、顎の大きさにはさほど問題がなく、歯の傾斜によって受け口となっている「歯性下顎突出」の場合は上顎突出と同様に、抜歯をして後ろに引き込む矯正方法が適応となります。
3.親知らずが矯正に影響を与える場合
親知らずが横や斜めに生えている場合、他の歯を圧迫してしまい矯正効果に影響を及ぼしたり、後戻りを強く引き起こしてしまう可能性があります。そのため、生え方によっては親知らずの抜歯が必要な場合があります。
抜歯のタイミングは基本的に矯正治療を始める前に 行います。抜歯後、傷口の炎症が落ち着いてから矯正治療に入ることがほとんどです。
すきっ歯など、歯抜歯をせずとも歯が綺麗に並ぶスペースが十分にある場合は抜歯の必要はありません。また、歯のズレが軽度の場合も抜歯は不要です。
マウスピース矯正の適応範囲とは
1.(抜歯なし)軽度の歯の隙間や軽度の叢生
歯列拡大装置などを使用し、歯列の拡大により咬合の改善が見込まれる場合や、歯の隙間の程度が軽度の場合など大きな歯の移動が伴わない場合が適応となります。
2. 矯正治療終了後の後戻りの改善
強制終了後、リテーナーと呼ばれる保定装置の着用を怠ると、徐々に以前の歯並びに戻ってしまう場合があります。これを「後戻り」と呼び、後戻りしてしまった歯を戻すには再度矯正する必要があります。
後戻りが気になってきた場合には、早めに治療を開始することで歯の移動距離が短く、治療期間も短期間で終えることができます。
3.(抜歯あり)歯の傾斜移動のみで改善が見込まれる場合
抜歯を行っていたとしても、歯の移動距離が短く、歯を斜めに動かすことで歯列の改善が期待できる場合はマウスピース矯正が適応となる場合があります。
ただし、抜歯をしている以上抜歯した部分に空間が生まれ、その空間を歯の移動で埋める必要があります。そのため、抜歯が不要であった場合に比べ治療期間が長期になる可能性が高いです。
マウスピース矯正の適応外とは
1.(抜歯あり)犬歯を大きく後ろに動かす場合
犬歯は、歯の中で一番歯根が長い歯です。そのため、歯の見えている部分(歯冠)を斜めに倒す移動であれば簡単に行えますが、歯の根本(歯根)を大きく後ろに移動させる場合(遠心傾斜)にはマウスピース矯正では難しい症例となります。
2.(抜歯あり)歯を上下に動かす必要がある場合
過蓋咬合は、上の前歯が下の前歯に深く覆い被さり、噛み合わせが深い状態をさします。そのため、上顎を上に埋め込む動きが必要となります。マウスピース矯正で上下に動かせる範囲はわずかであり、深い下顎咬合はマウスピース矯正では難しいとされています。
また、歯を歯茎から出す必要がある場合にもマウスピース矯正の適応外となることが多いです。
3.歯の回転が必要な場合
マウスピース矯正は、歯の回転移動を苦手とします。そのため、大きく歯がねじれている場合にはマウスピース矯正の適応外となることがあります。
抜歯をするかしないかは十分な検査と精密な治療計画により判断されます。歯科医院でしっかりと検査・カウンセリングを行い、納得した上で治療を始めるようにしてください。
北海道函館市に位置する「にしかわ歯科本通りクリニック」では、「クリアコレクト」でのマウスピース矯正を導入しております。また、日本歯科審美学会の認定資格である「ホワイトニングコーディネーター」の衛生士が4人在籍しています。患者様の状況をしっかりとカウンセリングし、治療させていただきますので、マウスピース矯正、ホワイトニングを検討されている方はぜひご相談ください。マウスピース矯正中に生じた様々な不安、疑問にも丁寧にお答えしていきますのでいつでもご連絡ください。
記事監修者 院長 西川卓志